Mさんは10年ほど前にC型肝炎を発症し、インターフェロンを飲んで治療していた。C型肝炎は完治したが、やがて肝硬変になり、1年に1度、定期的に検診を受けてきたが、数年前、肝臓がんと診断された。
そこで、動脈塞栓(そくせん)術とラジオ波焼灼(しょうしゃく)術を併用する形で合計4回、内科で治療を受け、その都度、がんを除去してきた。
「ただし、肝臓がんはその都度、完全に取っても“がんの赤ちゃん”が残っていて、それが2年おきに大きくなってがんが再発見されるという話でした。そして、直径2センチ大のがんが血管と血管の間にできた際、ラジオ波焼灼術は難しいといわれ、動脈塞栓術だけを受けたのです」
がんが血管と血管の間にある場合、ラジオ波焼灼の針を誤って血管に刺せば、血管が破れ、その結果、がん細胞が血流に乗って全身に回り、がんを転移させかねない。動脈塞栓術だけにしたのは、そのような問題がないからだった。
しかし動脈塞栓術では治らず、その半年後、がんが再発してしまった。
「今回は、腹部の中央から3方向に大きく切って肝臓を3分の1程度切除するしか方法がない、といわれてしまいました。これはえらいことやと思い、余計に不安になりました。それからです。より軽い手術、あるいは開腹の範囲が狭い方法はないかと、必死になって関連の本を読みました」
そこで、Mさんは、加入している保険に付帯されているベストドクターズ・サービスを利用することにした。ベストドクターズのコールセンターに連絡し、それまでの事情を看護師オペレーターに説明した上で、適切なセカンドオピニオンの医師を照会してくれるように依頼したのである。
「主治医からは、肝臓を大きく切除すると言われていました。しかし、ベストドクターズから照会された医師の治療は、縦15センチの開腹。医師が直視してがんをガンマ線で焼く方法でした」(肝臓は切除せずに済みました。)
その後、術後のフォローアップとして、ベストドクターズから照会された医師のもとで検査を受けた。がんがきれいに除去できたのか見るためだ。
以後半年、 「肝臓がんの治療効果を判定する腫瘍マーカーは2つとも正常値になっていました。『経過として、完全にがんの処理は終わりました』との説明でした」
「ベストドクターズのオペレーターには感謝しています。私の病状を詳しく聞いてくれましたからね。それができるのも、医学知識の点でオペレーターの質が高いからでしょう。もっと、このようなサービスがあることを広く知ってもらえると良いと思います」
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